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ポルシェ924②【思い出の車列伝】

  • 19 時間前
  • 読了時間: 5分

伝統を打ち破った

エントリーモデル


●ポルシェ924


伝統のRR+空冷とは異なり、

FR+水冷のシフトを試みたポルシェ924。

トランスアクスル方式を採用した

チャレンジングなこの車の実態を、

モータージャーナリストが解説します。

Text : Koichiro Okamoto(Motor Journalist)


フォルクスワーゲン主体の

案件をポルシェが買い取る


実は当初はフォルクスワーゲンとの共同開発で「フォルクスワーゲン・アウディ・スポーツ」として開発が進められていた。

 ところが、諸事情により開発中止になり、最終的にポルシェが案件を買い取って独自に開発することになった。

「924」と名付けられた同車は、それまでRR+空冷にこだわっていたポルシェの伝統を打ち破り、新世代のエントリーモデルとして開発された。

 911の空冷水平対向エンジンとは異なり、ポルシェとして初めて本格的に水冷直列4気筒エンジンを採用。初期モデルの2・0L自然吸気エンジンは、当時資本関係のあったフォルクスワーゲンやアウディのエンジンブロックをベースに、ポルシェがシリンダーヘッドなどを新設計したものが搭載された。

 登場時の最高出力はヨーロッパ仕様で125ps、日本仕様は100psで、のちに圧縮比の向上により115psまで向上した。

 さらに、ポルシェ924の最大の特徴は、トランスアクスル方式の採用だ。エンジンはフロントに搭載され、トランスミッションとデファレンシャルギアを一体化させてリアアクスルに配置。これにより前後の重量配分がほぼ50:50という理想的なバランスとなり、非常に素直で優れたハンドリングを実現した。

 先進的なエアロダイナミクス・デザインも924の特徴の一つだ。低いボンネットを実現するためのポップアップ式リトラクタブルヘッドライトや、丸みを帯びた大きなガラス製リアハッチゲートが外観の象徴となっている。

 1983年モデル以降は、ブラックのリアスポイラーによって空気抵抗係数がさらに低減された。


パワー不足を補うターボや

944の要素を得たSが登場


924にはいくつかの節目となるモデルがある。一つは、1979年に登場した924ターボ(コードネーム931)だ。スタンダードモデルの非力といわれたパワー不足を補うためターボを搭載し、最高出力を170ps(日本仕様は150ps)まで引き上げた。

 当時のポルシェのフラッグシップモデルである928と、エントリーモデルにあたる924とのラインアップ上の大きな隙間を埋めるべく登場した924の高性能モデルである。

 KKK製K26型ターボチャージャーを装着したこのエンジンは、シリンダーヘッドも新設計され、補機類の配置も924とは異なるなど、エンジン本体にも手が加えられていた。

 また、オイルクーラーも装着された。トランスミッションはポルシェ自社製の5速MTのみと組み合わされた。

 増大した出力に対応するため足回りも強化され、サスペンションは前後ともスタビライザーが追加され、ビルシュタイン製強化ダンパーを装備。ブレーキは前後ともにベンチレーテッドディスクとされた。

 外観ではノーズ先端に4つのエアインテーク、フロントバンパー下にスリット、エンジンフード上にNACAダクトが設けられた。

 1980年にはル・マン24時間レースに参加し6位に入賞したカレラGTのホモロゲモデルが市販された。さらに、81年にはそれをより高度にチューニングしたカレラGTSやカレラGTRが限定発売された。

 1986年モデルから生産された924Sには、初めてポルシェが設計したエンジンである944用の2・5L直列4気筒エンジンが搭載された。当初の最高出力は150psで、88年モデル以降は160psまで向上した。

 エンジンだけでなくブレーキシステム、シャシー、およびインテリアなどこのモデルに装備されたパーツの多くが944から採用された。

 日本へは、1982年の944の輸入開始にともない924の輸入は中止されたが、87年から924Sの再輸入が始まった。


モータージャーナリストの視点!


流通量は極端に少なく、911の高騰とは裏腹に、924の相場は落ち着いていて、大手サイトではいずれもかなり程度が良さそうなものでも300万円を切っている。これが944や968になるとずいぶん様子が違って、新車価格を超える個体も少なからず見受けられる。924はやはり、ポルシェの歴史の中では軽く見られているようだ。それでも約40年前の個体に300万円近いプライスタグが付いていること自体、やはりさすがはポルシェの一員といったところだろうか。



924(左)と924ターボ(右)


各世代のウリはここだ!


●924(1976年~1985年)


フォルクスワーゲンに代わりポルシェが

開発し完成させた

新しいエントリーモデル


● 登場時の最高出力はヨーロッパ

 仕様で125ps(日本仕様は100psで、のちに115psまで向上)

● 初の水冷式フロントエンジンおよび

 トランスアクスル方式を採用

● アウディやフォルクスワーゲンの

 パーツを流用


924の駆動機構の開発においては従来とは異なる全く新しい方向性を示し、ポルシェ初となる水冷式フロントエンジンを採用。シリンダーを直列に配置するため、125psを生むアウディ 100のエンジンをベースにポルシェが改良を加えた。エンジンの動力は、トランスアクスル方式で駆動輪に伝達される。このFR+トランスアクスル方式のレイアウトは、のちの944・968にも受け継がれた基盤技術。また、924では2+2シート+大きなリアハッチを採用し、スポーツカーでありながら日常使用にも耐える実用性を確保した。

中古車小売り価格帯

250万円~350万円


●924ターボ(1979年~1984年)


指摘されたパワー不足を払拭すべく登場した

911の後継の本命と目された高性能モデル



● KKK製ターボチャージャーを装着

 したエンジンは多くの部分を新設計

● 最高出力170psに向上(日本仕様は150ps)、足回りやブレーキも強化

● オイルクーラー、ボンネットのダクト、

 リアスポイラーなどを追加


924ターボは、アウディベースの2.0L直4をポルシェが徹底的に再設計し、KKK製ターボチャージャーで“本気のポルシェ”へと昇華させたモデル。 自然吸気の924とはまったく別物と言っても過言ではない。1981年モデルではエンジンの効率性がさらに向上し、最高出力は177PSまで高められた。924ターボのボディは924をベースとしている一方、フロント部分に複数のエアインテークが設けられた。例えばヘッドライト間に4つのエアインテーク、ボンネット右側に1つのNACAダクトを備え、エンジンルームの通気と換気を行った。

中古車小売り価格帯

230万円~350万円



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