BMW02シリーズ②【思い出の車列伝】
- 7月1日
- 読了時間: 5分

3シリーズへつながる
BMWの2ドアセダン
●BMW02シリーズ
BMW3シリーズの始祖は「ノイエクラッセ」。
そこから通称マルニと呼ばれる
2ドアセダンの02シリーズが生まれ、
3シリーズへと引き継がれた。その足跡を
モータージャーナリストが解説します。
Text : Koichiro Okamoto(Motor Journalist)
「ノイエクラッセ」が
2002のルーツとなる
BMW2002が登場したのは、1968年1月のブリュッセルモーターショーでのことだ。
車名の2002は、当時すでに乗用車版のBMW2000シリーズがあったので、それと区別するために、2000㏄級の2ドアモデルという意味で、2002と名付けられたという。
そんな2002のルーツは、件の2000ではなく、「ノイエクラッセ」と呼ばれた、62年に発表された1500シリーズという小型セダンだ。ミケロッティの手によるモダンなスタイリングをまとい、1499㏄直4SOHCエンジンを搭載。性能の高さとお買い得な価格設定で絶大な支持を受け人気車種となった。その発展版である1600-2というスポーティーモデルが、2002の直接的なベースとなる。
66年のジュネーブショーで登場した1600-2は、4ドアモデルである1600のホイールベースを50㎜短縮して2500㎜とするとともに、ボディーサイズも300㎜短く120㎜狭い、ふたまわりほど小さい全長4230㎜×全幅1590㎜×全高1410㎜とされた。
車両重量は130㎏も軽量化され940㎏となった2ドアモデルに、85㏋の1573㏄の直4SOHCを搭載していた。
この発展形として登場したのが、2002というわけだ。
4ドアセダンの2000に搭載されていた100㏋の1990㏄直4SOHCを1600-2に載せ、4速MTと3速ATが組み合わされた。
ボディーサイズは不変で、車両重量は990㎏と、1600-2より50㎏ほど重くなった。
シャシーも基本的に1600-2を流用。前マクファーソンストラット、後セミトレーリングアームのバランスに優れたサスペンションシステムは、その後の日本車のサスペンション設計にも大きな影響を与えたという。
2002にはいくつもの
高性能版が存在した
2002の発表と同時に、キャブレターを2基に増やすとともに圧縮費を8・5から9・3に高めるなどして120㏋にパワーアップした2002tiもラインアップされた。
その後、2000tiと入れ替わる形で71年に燃料噴射装置を搭載し130㏋とした2002tiiが発表された。これらの2モデルには4速MTだけでなく5速MTも用意されていた。
73年には量産車として世界で初めてターボチャージャーを装着して170㏋までパワーを引き上げた2002ターボなどの高性能版が登場した。パワフルで迫力あるオーバーフェンダーをまとった2002ターボは2年間しか生産されなかったが、マニア垂涎の的として世界的に人気がある。
02シリーズは、最も多く生産された2002の他に、中間に当たる1766㏄版の1802と、モデル末期に生産された1573㏄廉価版の1502というバリエーションが展開された。
前期型のデザインは、二灯式のヘッドランプとキドニーグリルを配したフロントマスクや丸型のテールランプによって柔和な印象となっているが、73年秋に登場した後期型は、キドニーグリル周りがブラックアウトされ、テールランプが角型となった。
ボディーバリエーションとしては、オープントップモデルの2002カブリオレがある。当初の200台はフルオープンタイプであったが、以降はボディー剛性確保のためタルガトップタイプになった。
もう一つのタイプとして、ファストバックのツーリングがある。 こちらは73年のマイナーチェンジでも事情により丸テールのままとされた。
後継車となる初代3シリーズが登場したのは75年のこと。02シリーズは廉価版の1502を除く他のモデルの生産が終了し、1502のみ77年6月まで生産が継続された。
モータージャーナリストの視点!
流通台数は非常に少なく、大手中古車サイトを見てもひと桁台しか掲載されていない。しかも価格は大半が「応談」となっている。もはや2002全体がコレクターズアイテムと化している様相がうかがえる。プライスタグが掲げられているものにもかなり幅があり、1000万円を大きく超えるものから、400万~500万円程度のものまである。コレクターズアイテムの最たるものであるターボは、もはや情報サイトでは姿が見られないほどの存在になっているようだ。
各世代のウリはここだ!
●BMW2002
(1968年~)

傑出したミドルクラス2ドアセダン
● 軽量なボディーにパワフルな
エンジンを搭載
● 100HP/5500rpm、 16.0kgm/3500rpmを発生
● 前ストラット、後セミトレーリング
アーム式のサスペンション

2002のバランスに優れた4輪独立方式の前後サスペンションシステムは、その後開発された日本車のサスペンション設計に、多大な影響を与えたといわれている。
中古車小売り価格帯 350万円~500万円 |
※レストア度合いで数倍の差。フルカスタム車は2000万円超えも。
●BMW2002tii
(1971年~)

2002の高性能版として人気を博す
● 機械式燃料噴射装置を搭載
● 130HP/5800rpm、
18.1kgm/4500rpmを発生
● 圧縮比を9.5:1に向上

2002と同時に発表された2002tiとこのtiiは、機械式燃料噴射装置が搭載されたことが決定的な違いだった。外観上の差はほとんどないが、トランクバッジの「2002tii」が目印。
中古車小売り価格帯 450万円~650万円 |
●BMW2002ターボ
(1973年~)

ターボチャージャーで武装した初の量産車
● 170HP/5800rpm、 24.5kgm/4000rpmを発生
● 最高速度211km/hを達成
● 逆さ文字で「turbo」と
書かれたステッカー

フロントはエアスポイラーが配され、前走車のミラーで正しく読めるように逆文字で「turbo」と書かれたステッカーが貼られていた。が、挑発的すぎるとして後に廃止されたという。
※写真はステッカー無し
中古車小売り価格帯 1200万円~1800万円 |
●BMWE21/3シリーズ(初代)
(1975年~1983年)

2002の後継として登場
● 同クラスでは珍しい
6気筒車も設定
● センタークラスターを運転席側
に傾けた内装を初採用
● 6年間で100万台を販
売

E21は、中型乗用車「3シリーズ」のうち、1975年から83年にかけて製造・販売さ
れていた初代モデルを指すコードネーム。逆アリゲーター式ボンネットも2002より引き継いでいる。
中古車小売り価格帯 200万円~350万円 |
オークマン2026年7月号掲載記事

