ポルシェ924①【思い出の車列伝】
- 6 日前
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時代に翻弄された
ポルシェの心意気
●ポルシェ924
70年代~80年代、それまでのポルシェから
脱却すべく提案された924。
当時の評価はそんなに高くなかったが、
ちょっと時代に合っていなかったのでは?
というテリーさんにお話を聞きました。
Interviewer: Koichiro Okamoto (Motor Joumalist)
Photographs: Katsuaki Tanaka
プアマンズ・ポルシェなどと
揶揄されたりしたものだが

924には、もう20年ぐらい前かな、2回ばかり乗ったことがあるよ。軽やかで取り回しもよくて、911みたいにクセがなくて普通に乗れたし、ポルシェらしいしっかりとした感覚も伝わってきたよね。
ボディサイズなんて、全長4185㎜、全幅1685㎜、全高1280㎜しかない。なんと日本の5ナンバー枠に収まるんだよ。
それからリトラクタブルヘッドライトも好きだな。今の時代はなくなってしまったから貴重だよね。当時、こういういかにもスポーツカーみたいなスタイルのクルマって、スーパーカー以外、あんまりなかったじゃない。その点でも良かったと思う。
よく924はプアマンズ・ポルシェなんて揶揄されて、お金がなくて911を買えない人が買うクルマだといわれていたけど、これはこれで悪くないと思ったよ。
でも現役当時は911が強すぎて、なかなか認めてもらえなかった。エンジンや部品をアウディやフォルクスワーゲンと共用しているというのもその主な要因だけど、出来はいいのに、かわいそうな子だよね。
今はカイエンとかマカンやパナメーラやボクスターとかケイマンがそれぞれ存在感を発揮していて、ようやく911の呪縛から解放された感じだけど、当時はポルシェといえば絶対的に911だったんだ。
当時のポルシェって、928ですらパッとしなかったじゃない。宇宙船みたいで、あんなにかっこよかったのに。
やっぱり時代背景っていうのは大きくものをいうよね。ボクスターやケイマンは評価されたのに、924はそこまで評価されなかった。悲劇というと大げさだけど、そういう時代のクルマだ。
それに、SUVの時代が来なければ、カイエンやマカンだって生まれてこなかったかもしれない。
あと924がアウディやフォルクスワーゲンの部品を使っているというのも、今の世の中だったらもっと寛容に考えてもらえたかもしれないよね。
ポルシェとしてはホンモノ感がなかったかもしれないけど、1台のスポーツカーとして見ればとても良かったと思うんだけどな。
それでもポルシェとして出すからには、やっぱり生粋のポルシェであることが求められたということなんだろうけどね。
ポルシェとして出す以上は
911の要素が必要なんだ
924というのがポルシェにとってどういう存在だったかというと、それまでのポルシェから脱却するためのクルマだったはずなんだよ。
本当はこのときに、今でいうパナメーラみたいな911の薫りのするセダンとか、あるいはぜんぜん違ってゴルフみたいなポルシェを造ってもよかったと思うんだ。
だって、その少し前にはフォルクスワーゲンだって、ビートルの呪縛から逃れられなかったところにゴルフを造ったことで、次世代のワーゲンはこれだと認めてもらえたじゃん。
でもポルシェには、それをやる勇気がなかったというより、ウチはスポーツカーメーカーだという誇りがあったから、924のようなクルマがいいんだという話になったんだろうけどね。
それはジャガーにも当てはまって、デイムラーがあった時代のXJのあとにはヒットしたといえるクルマがない。
ハーレーだって今でもそうだよ。いわゆる昔ながらのハーレーがもてはやされて、イマドキっぽいのを造っても買ってもらえない。
でも今のポルシェには911があって、その廉価モデルとしてボクスターやケイマンがあるわけだけど、商品企画として、やっぱり911の要素が入っていることが大事だということに気づいたんじゃないかと思うんだ。カイエンもパナメーラもマカンもみんなそうじゃん。
ただ、924だって成功していないわけじゃない。名曲だけど時代にちょっと合わなかっただけだ。ちゃんと一定の役目は果たしたと思うよ。
歴代924をご紹介!
ポルシェ924の変遷
●924(1976年~1985年)

914の後継車として、フォルクスワーゲンに代わりポルシェが開発し完成させた新しいエントリーモデル。駆動機構の開発において全く新しい方向性を示し、初となる水冷式フロントエンジンを採用。アウディ100のエンジンをベースにポルシェが改良を加えたエンジンの動力は、トランスアクスル方式でリアの駆動輪に伝達された。
●924ターボ(1979年~1984年)

指摘されていたパワー不足を払拭すべく登場した高性能モデル。当初は911の後継車の本命と目されていた。KKK製ターボチャージャーを装着したエンジンは、シリンダーヘッドが新設計され、補機類の配置もそれまでの924とは異なるなど、エンジン本体にも手が加えられたほか、オイルクーラーが追加され、ボンネットのダクトやリアスポイラーなどが配された。
オークマン2026年8月号掲載記事

