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フォード ブロンコ①【思い出の車列伝】

  • 3 日前
  • 読了時間: 5分



21世紀に復活した This is アメリカン


フォード ブロンコ

初代をオマージュし、今世紀になって復活した現行モデルが好きだという伊藤さん。

約60年の歴史を持ち、モデルチェンジのたびに大型化していったブロンコの変遷を、

どのように眺めていたのでしょうか。

Interviewer: Koichiro Okamoto (Motor Joumalist)

Photographs: Katsuaki Tanaka

アーリーブロンコが

ファッションアイコンに


ブロンコは今年、生誕60周年を迎える。途中、長いこと中断していた時期もあるけど、2021年に復活した。その最新モデルは、初代のアーリーブロンコをオマージュしたデザインが特徴だ。

 オマージュするということは、それだけの価値があるということだ。現にアーリーブロンコはいまやよくファッション雑誌のアイコンになっていて、女性誌なんかによく出ている。やっぱり女の子は丸目が好きだというのもあるだろうけど、アーリーブロンコというのは、なんの変哲もないシンプルなところがいいんだ。どんなものと組み合わせても絵になる。

 このデザインで、上の白い部分がパカッと取れるピックアップがあるんだけど、それが一番好きだよ。

 ところが、この小ささがよかったのに、次の世代からブロンコはいきなりデカくなってしまったんだ。80年代なんて、もはやフルサイズだよね。当時のブロンコに乗っている知り合いに乗せてもらったこともあるけど、This is アメリカンという感じで、とにかくデカかった。エンジンは5Lを超えるV8で、燃費は3㎞/Lぐらいだったよ。

 実は僕も当時、アメリカンSUVを買ったんだ。あまり大きいクルマは好きじゃないから、もっと小さいシボレーのC- 10ブレイザーの赤/銀の新車をヤナセで買った。

 で、あるときロケに乗っていったら、とんねるずのノリちゃんが欲しい! というから譲ったんだ。そしたら次に会ったときにちゃんとクルマ代を現金で持ってきてくれたよ。

 その頃のブロンコのことは、正直あまり印象に残っていないけど、そういえば有名なO・J・シンプソン(元アメリカンフットボール選手)の逃走劇に使われたのがブロンコで、その模様がテレビで延々と放送されたんだよね。そういう不名誉なことで有名になってしまうと、だいだいその車名は使われなくなる。日本でもまさに宮崎勤(元死刑囚)が乗っていたというラングレーもすぐに消えた。ブロンコもそうだったんじゃないかな。かくして1996年にブロンコの歴史はいったん幕を閉じることになる。


復活した現行ブロンコの

デザインが素晴らしい


ところが、約四半世紀の時を経てブロンコが復活した。MINIやフィアット500の復活ほど話題にはならなかったけど、「本当かよ!?」って驚いた人が、とくにアメリカでは少なくないはずだよ。

 デザインがまた実に素晴らしいんだ。街で何回か実車を見かけたことがあるけど、初代の雰囲気をうまく取り入れながら21世紀らしい姿をまとっていて、思わず目で追ってしまったよ。買った人はよっぽどこのデザインが気に入ったんだろうな。でないとわざわざ買わないよね。

 このデザインは向こうでもけっこう好評らしいし、マスタングといいフォードの懐古趣味は本当にうまいよ。

 フォードは日本を撤退してもうすぐ10年。もしまだ健在だったら、過去のブロンコは巨大だから日本に入れなかったのは分かるけど、現行ブロンコなら正規輸入していたかもしれない。

 サイズ的にも全幅こそ1・9mを超えてるけど、全長はそんなに長くないから日本でもなんとかなる。それにラダーフレームを持った本格的なクロスカントリー車という成り立ちもそのまま。カワイイ顔して実は中身は本格派というのもアーリーブロンコと同じだ。

 それとは別に、モノコックボディでデザインの雰囲気を似せた軟派な弟分のブロンコスポーツというモデルもある。サイズは小さいし価格もはるかに安い。僕がもし買うとしたらスポーツで十分だな。

 せっかくこういう魅力的なクルマもあるんだから、フォードにはぜひ日本市場に復帰してほしいよね。ほかにも日本で売れそうなクルマはいっぱいあるし、期待してる人は多いと思うんだけどな。


歴代ブロンコをご紹介!


フォード・ブロンコの変遷


●初代(1966年-1977年)


シンプルで実用的な四輪駆動車オフローダーとして開発。ドアやルーフがなく、フロントガラスも折り畳めるロードスター、サイズの小さいピックアップ版、ハードトップを備えた2ドアの密閉型ワゴンの3つのスタイルが選べた。

●2代目(1978年~1979年)

2ドアのワゴンが基本となり、初代よりも一気に大型化した。取り外し可能なハードトップもあった。初代が11年間ほとんどモデルチェンジしなかったのに対し、わずか2年の生産期間だったが、約18万台も売れたという。

●3代目(1980年~1986年)


2代目よりも少し小さくて軽くなり、V8だけでなく低燃費なV6も設定された。初めてフロントに独立懸架のサスペンションを採用した。同モデルと並行して、より小柄な「ブロンコⅡ」が1983年に発売された。

●4代目(1987年~1991年)


フルサイズとなり、フラットなフェイスとなりながらも全体的にやや丸みをおびたフォルムとなった。エンジンは5.8Lと5.0LのV8と4.9Lの直6の3種類で、電子制御燃料噴射化など近代化が進められた。

●5代目(1992年~1996年)

これがビッグブロンコの最終世代となる。従来型の角ばったイメージからラウンドシェイプを多用したデザインに変わった。パワーユニットは従来型が踏襲された。1996年にいったん絶版となる。

●6代目(2021年~)

2021年式としてブロンコの名前が復活。従来のフルサイズの流れではなく、アーリーブロンコをほうふつとさせるデザインのコンパクトな4WDとして開発された。エンジンはいずれもエコブーストの2.3L直4と、2.7L V6、3.0L V6で、V8の設定はない。




写真提供:Ford Motor Company


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