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スズキ スペーシア①【思い出の車列伝】

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  • 2024年9月25日
  • 読了時間: 5分

更新日:1月10日


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絶好調の軽自動車

かわいいデザインも魅力


●スズキ スペーシア


奥様が長年スズキの軽自動車をご愛用だとか。

そんなテリー伊藤さんは、現在売れ行き絶好調のスペーシアを

どのように受け止めているのでしょうか。


Interviewer: Koichiro Okamoto (Motor Joumalist)

Photographs: Katsuaki Tanaka


奥さんも若者も現実主義で 軽自動車がもてはやされる


 ウチの奥さんはスズキの軽自動車を愛用していて、今はワゴンRスマイル、その前はハスラーだった。何歳になってもかわいいデザインが好きなんだよね。

 そろそろ免許の返納を考えないといけないお年頃で、今のクルマが最後の愛車になるかもしれないという話もしているところだけど、僕としてはもうしばらく乗ってもいいんじゃないかなと思っている。

 だって奥さんは超安全運転で、今のところ技術的には問題ないし、高速道路を走ることもないし、ちょっと近所に出掛けるだけだ。返納したらもう一生乗れなくなっちゃうんだもんね。

 そのワゴンRスマイルを僕もたまに運転する機会があるんだけど、まず家から出てすぐにある上り坂で、非力だからもたつくのがいつも気になるんだ。

 でも、奥さんは遅くてもぜんぜんかまわない。本当に足代わりという感じで、クルマに対する上昇志向とか向上心はない。あまり洗車も掃除もしないから、車内はいつも小物が散らばっている。足代わりだけじゃなくて押入れ代わりでもある。

 かわいいクルマが好きなら、MINIのほうが映えると思って薦めてみたんだけど、近所に買い物に行って友達に会ってテニスに行くには、軽自動車のサイズがちょうどいいと言うんだ。やっぱりクルマに対する向上心がないんだよね。

 クルマに対する野心がないのは最近の若い人も同じみたいで、ある新聞で若者が欲しいクルマ トップ10という記事を読むと、驚いたことに10台のうち6台が軽自動車だったんだ。スペーシアも入っていた。

 しかもアルファード/ヴェルファイアはあったけど、一昔前なら必ず入っていたようなスポーツカーや高級車がぜんぜんないんだよ。

 どうやら「欲しい」の概念が違うようで、僕らにとっては実際に買えるかどうかは関係なく、乗りたければ「欲しい」に当てはまるよね。もっと言うと、実際にクルマに全部つぎこむ人もいて、それがまたカッコよく見えた。

 ところが、今どきの若者は現実を直視していて、あまり夢を見ない。身の丈に合わずリアルに感じられないものには興味を示さないんだ。そもそもクルマ以外の楽しみを重視する人のほうが圧倒的に多くて、どうせならそっちにお金をかけたい。だから欲しいクルマは軽自動車、となるわけだ。

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絶対王者を実力で上回った 軽自動車のニューヒーロー


そんななかで、軽自動車のニューヒーローが生まれた。今年5月にスペーシアが絶対王者のN-BOXを上回って、初めて販売首位になったんだ。

 軽自動車の世界には不定期にゲームチェンジャーが現れる。かつてスズキが世に送り出したワゴンRが軽自動車の常識を変えた。やがてダイハツがタントを発売すると軽自動車は背が高くて当たり前になった。さらには走りを極めたホンダのN-BOXが軽自動車界の主役になった。

 N-BOXだってまだ古くなったわけじゃない。にもかかわらずスペーシアが実力で首位の座をもぎ取ったんだ。これはすごいことだと思うよ。

 それだけじゃない。5月には4位がワゴンR、5位がハスラー、6位がアルトで、11位にジムニーだ。不正問題のあったダイハツが勢いを取り戻すにはまだまだ時間がかかる。一方でスズキは軽自動車王国の様相を呈してきたよね。

 スズキが他のメーカーと違うのは、かわいいデザインのクルマが多いことだ。丸目のクルマも一番多いよね。

 個人的には「カスタム系」と呼ばれる軽自動車が、みんなアルファード/ヴェルファイアみたいなイカツイ顔をしているのが好きじゃないんだ。

 売れるからそうしているんだろうけど、もっと軽自動車としてふさわしいやり方があると思うんだよ。

 その点、スペーシアにはひと味違った個性の派生モデルがちゃんとあった。新型もこれからいろいろ出てくるはずだから、期待して待つことにしよう。


歴代スペーシアをご紹介!

スズキ スペーシアの変遷


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●初代(2013年~18年)

※本格的な大量生産開始


前身の「パレット」から改名し、「広くて便利、軽くて低燃費の軽ハイトワゴン」をコンセプトに開発。デュアルカメラブレーキサポート、全方位モニター、ナノイー搭載のフルオートエアコン、プレミアムUV&IRカットガラス、S-エネチャージなどを装備。



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●2代目(2017年~23年)

軽量高剛性の新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を採用。発進時にモーターのみで走行できるマイルドハイブリッドを搭載。厚みの増したフロントをはじめボディ形状がよりスクエアになり、車内空間の広さを印象づけた。

2018年末にはSUVテイストを取り入れた遊び心のある「スペーシア ギア」が、22年夏には内外装をユニークな仕様とした初の4ナンバー車となる「スペーシア ベース」が加わった。


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●3代目(2023年~)

「わくわく満載!自由に使える安心・快適スペーシア」をコンセプトに進化。環状骨格構造や減衰接着剤などの採用により優れた操縦安定性や快適性を実現。頑丈なコンテナのプレス面を連想させる形状や面取りしたような造形を取り入れた外観や、マルチユースフラップを備えたリアシートなどが特徴。




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オークマン2024年10月号掲載記事



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