株式会社ADN GROUP【REAL VOICE】
- meme inc
- 2022年7月2日
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新車の製造はできず、輸入ルートも限られているロシアでは、日本の中古車の需要が急激に高まっています。
その理由と、急変した状態への対応策を、富山からロシアへ中古車を輸出している企業で伺いました。
目次
高まる自動車ニーズをルーブル高が後押し
海外、特にロシアにおいて中古車の需要が高まっているというニュースを聞いたことがないでしょうか。複雑な世界情勢もあり先行は不透明ですが、本稿の取材時、６月には輸出したくても輸送する船がまったく足りていないという状態。ウラジオストクへの玄関口となっている富山港では、中古車が出荷待ちの列をなしていると聞いて取材に向かいました。
２００７年設立の株式会社ADN GROUPは富山港から四輪、二輪、建機などをロシアに輸出しています。現地のお客様からオーダーを受けて、希望に沿う車を探して落札。代理手数料を得るというスタイルで成長を続けてきました。
「ロシアでは日本軍の人気が非常に高い。特に、極東エリアでは地理的な影響もあって昔から日本軍は社会に溶け込んでいます」と教えてくれたのは、同社ゼネラルマネージャーのオストロフスキー・セルゲイさん。
メーカーだと、なんといっても丈夫さと修理部品の豊富さ、リーズナブルさで評価されているトヨタに加え、デザイン性の高さとオプションパーツが豊富な点が評価されているホンダの人気が高いそう。さらに、車種ではハイブリッド車の人気が安定しているそうです。
「ロシア国内にも日本車の製造工場はありましたが、ハイブリッド車は作っていません。そこで、中古で比較的安価に買えるプリウスやアクア、フィットなどに人気が集中したのです。ガソリン価格の高騰に悩まされているのはどの国でも同じですから」
ニーズを的確に捉え、順調に取り扱い台数を増やしてきましたが、やはり２０２２年２月に世界情勢が大きく変わった時には、業績は大きく悪化してしまったそうです。それまでは神戸港や木更津港からもロシアへ出荷が可能でしたが、今は富山港と舞鶴港だけ。ルーブルも下落し、ロシア国内における中古車輸入市場は停滞してしまいました。ところが...。
「新車ディーラーは国内から撤退していますし、パーツ工場もどんどんなくなっています。今、ロシア国内ではとにかく新車は手に入りません。ただ、それでも市民の生活に自動車は不可欠ですから、需要はずっと高まり続けています。さらに、最近はルーブルが高騰しています。円安もありますから、日本の中古車のニーズは急激に上がっている状態です。ちょっとしたバブルですね。」
射水市内に5つのヤードを所有。基本的には日本車のみを仕入れて輸出している。
月間の落札数は300～400台
オークネットのサービスでスムーズな仕入れを実現
同社所有の５つのヤードは出荷を待つ車であふれています。週５～６便はウラジオストクを往復するものの、船積みの予約は２カ月先まで埋まっているのだとか。その間にも、ろしあからはひっきりなしに注文が入ります。この大忙しの仕入れ状況を支えているのがオークネットのオークション。シンプルなインターフェイスで検索がしやすく、入札方法も他社に比べて洗練されているとお褒めの言葉をいただきました。特に自動応札サービス『らく』ＰＯＳはなくてはならない存在だそうです。
「仕入れ台数が多いので、画面の前に張り付いている必要のない『らくＰＯＳ』には、とても助けられています。５月に追加されたグループオーダー機能も便利ですね」
グループオーダー機能とは、最大１００台を1グループにまとめ、落札したい車両と台数を設定することで、希望の落札台数に達するまで自動で応札する機能。希望台数を落札した後は自動で応札を停止するので、必要台数以上に入札することもありません。
「あとは、『おまとめ』サービスもありがたい。毎回さまざまな会場で入札するので、普通なら計算書が会場ごとに何枚も送れてきて事務所での作業がとても煩雑になってしまいます。それが、すべてまとまってオークネットから１枚で送られてくることで、手間が大いに軽減されます」
また、バブル状態なので高額車もよく求められるそう。多少高くてもいいので、なるべく早く欲しいというオーダーがあり、ここ数カ月は共有在庫もよくご利用いただいています。
「ランドクルーザープラドが一番人気ですね。昨年に比べたら、為替の変動のおかげでかなり割安感が出ています。値段よりもスピード重視で仕入れられる共有在庫は、現在の弊社の状況にマッチしています」
社長以下、スタッフのロシア人は流暢に日本語を操る。
ヤードでは簡単な整備をしてから輸出。
AUCMAN2022年8月号掲載記事
