業界レポート3月号② Vol.76
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本レポートでは、オークネット会員様のビジネスのお役に立てますよう
大きなターニングポイントに差し掛かっている自動車産業にフォーカスした情報をタイムリーにお届けします。
執筆・編集:特定非営利活動法人 自動車流通市場研究所 理事長 中尾 聡
2 中古車流通のあれこれ
【出生数&人口の減少と車両の高齢化からマーケットの縮小を考察】
1月23日に公表された厚生労働省の人口動態統計によりますと、2025年1~11月までの出生数は64万5255人(外国人含む=速報値)とのことです。これから25年の年間の出生数を推計しますと(日本人のみ=確定値)約66.8~66.9万人になるそうです。これで11年連続の減少となり、それに伴って人口の減少は、もはや歯止めが掛かりません。さらに車両の高齢化も進んでいます。今回は、中古車流通に限った話ではありませんが、今後のマーケットの縮小について、考察してみたいと思います。
【24年一年で香川県の人口分が消失 日本の人口は加速度的に減少】
25年出生数等の確定値が発表されるのは、今年の9月になりますので、今回は24年の確定値をもとに紹介します。
24年の出生数は68万6173人と過去最少を10年連続で更新してしまい、調査開始(明治33年)以来、初めて70万人を割り込みました。死亡数も160万5378人と過去最多となって、その結果、自然減は91万9205人と、遂に90万人を上回っています。この数値は香川県の人口に匹敵します。ちなみに太平洋戦争中であっても人口は増加していましたから、この減少傾向は異常だと言えます。
ただ、出生数に結びつく、24年の婚姻件数は48万5092組で1万351組増加しています。これは一見、良い兆候に見えるのですが、実は20-22年の3年間、若者にとって外出や飲み会の自粛等で本来その間に作られたはずの「結婚に至る恋愛」が作られなかった「恋愛ロックダウン」期間となり、その期間に32万組の結婚が消滅したと言われています。24年に増えたのは、その一部が戻ったに過ぎません。この「失われた32万組の結婚」が、今後も出生数減少の要因となります。
こうした現象を食い止めるには1人の女性が生涯に産む子どもの平均的な人数合計特殊出生率を2.07にしなければなりませんが、実際24年の確定値では、過去最低を更新する1.15で、現状は程遠い数値だと言えます。
以上のように、いずれの指数も悪化の一途を辿っており、危機的状況が続いていることから、マーケットの縮小は加速度的に進むと考えられます。
厚生労働省の人口動態調査確定値によれば

【年々高齢化が進む乗用車の車齢・使用年数・代替サイクル】
こちらのデータも25年の実績は、今月末に内閣府から発表されますので、あくまでも24年の実績をもとに紹介します。
24年3月末現在の乗用車(軽自動車を除く)の平均車齢は9.34年で、前年比で0.12年延び、29年連続で過去最高齢となっています。平均使用年数は13.32年と意外にも短縮しています。これはこのところ中古車輸出が好調で特に高年式車が多く輸出されていることで、皮肉にも若返りが図れています。
一方、新車ユーザーが次の新車を購入するまでの期間である代替サイクルは、9.1年で22年以降は9年超えしています。要するに4回車検を通した後に、乗り換えると言うことであり、これは下取車が中古車として市場に流れてくる段階で、すでに高齢化していることを示しています。
近年、嗜好性が薄れ、実用性が求められている中で、クルマ自体が「壊れない」「ぶつからない」商品に年々進化を遂げている以上、高齢化は避けられない現実なのかもしれません。
乗用車の車齢・使用年数・代替サイクルの推移

ここがPOINT!
26年の干支は60年に一度巡ってくる「丙午(ひのえうま)」です。前回の丙午である昭和41年は「この年に生まれた女性は気性が激しい」などの迷信が広まり、出生数が前年比で約25%も激減しています。現在の状況で25%も減少してしまったら、大打撃です。ちなみに育児支援サイトを運営する株式会社ベビーカレンダーが妊娠中・育児中のママ(20〜40代)935人を対象に興味深いアンケートを実施しています。それによりますと今年が60年に一度の「丙午」であることや、迷信について知っているか聞いたところ、「よく知っている」31.2%、「なんとなく聞いたことはある」49.0%を合わせて、約8割が認知していました。その上で、そのイメージや迷信に対して、「ただの迷信なので、気にする必要はない」が44.7%「特にイメージはない」が39.4%(368件)と迷信そのものを過度に意識していない層が多いことがうかがえます。実際、26年の出生数がどうなるのか注目です。
2026年3月号

