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業界レポート3月号③ Vol.76

  • 4 時間前
  • 読了時間: 4分


本レポートでは、オークネット会員様のビジネスのお役に立てますよう

大きなターニングポイントに差し掛かっている自動車産業にフォーカスした情報をタイムリーにお届けします。


執筆・編集:特定非営利活動法人 自動車流通市場研究所 理事長 中尾 聡


3 どうなってるの中古車輸出 


【2025年 中古車輸出 日韓比較レポート】


 25年、日本の中古車輸出は遂に170万台を突破し、3年連続で過去最高値を更新しました。一方、韓国は日本の増加率(8.9%増)を大きく上回る38.6%増の88万台を記録し、2年振りに過去最高値を大きく塗り替えています。今回は歴史的な飛躍を遂げた両国の中古車輸出における構造的な違いを分析してみます。


【日韓ともに輸出台数、輸出額で驚異的な実績】


 25年は日本から167の国々に171万4279台の中古車が輸出されました。台数は過去に例を見ない水準ですが、さらに注目すべきはFOB価格が初めて100万円を超え、104万8千円になったことです。これにより、中古車輸出額の合計は1兆7966億円に達しています。20年は5193億円であったので、わずか5年で約3.5倍に拡大しています。

 一方韓国は、台数が前年の63万8723台から25万台以上も上積みし、88万5313台と過去最高値を大幅に更新しました。そして驚異的なのはFOB価格が日本円にして155万5千円と日本よりも1.5倍となる高額になっていることです。それに伴い、輸出額も日本円にして1兆3770億円と初めて1兆円を超えています。ちなみに韓国の仕向国数は日本よりも5ケ国多い172ケ国でした。

 これほどまでに両国でFOB価格が急騰した背景には、旺盛な海外需要に対し、新車販売の低迷で国内の中古車供給が細ったことがあります。需給逼迫により仕入れ競争が激化し、相場を押し上げたと言えるでしょう。また、海上運賃の低下で輸送コストが抑えられたことも、仕入れ価格上昇を後押ししています。


厚生労働省の人口動態調査確定値によれば

出所:日本=財務省通関統計 韓国=韓国貿易協会 ※日本の実績で、数字が赤字で記載しているのは過去最高値 2024年は1ドル=150円で2025年は1ドル=155円で換算した。※韓国の輸出額は、usドルで発表されていた数値を円に換算 


【日本はスリランカの復活&アフリカ勢の健闘 韓国はロシア需要の拡大】 


  仕向国の傾向として、日本はほぼ通年でスリランカが復活したことが台数の増加や輸出額の増額に大きく影響しました。また25年はアフリカ勢の躍進が目立った一年でもありました。タンザニアがアフリカ勢としては初めて10万台を超えたほか、ケニア、南アフリカ、ウガンダ、ナイジェリアなど資源開発で潤っている国が軒並み好調で、アフリカ地域だけで45万9364台が輸出され、これにアラブ首長国連邦(UAE)からの再輸出分を含めると、同地域(41ケ国)に約67万台が輸出されたことになり、占有率も全体の4割近くとなっています。

 方や韓国も、25年は新たな仕向国として、アサド政権が崩壊したシリアへの中古車輸出が開始されています。しかしながら、同国としては短期間で大量に流入したためか、7月から輸入を禁止してしまいました。従って、あくまでも上期だけ勢いを加速させたに過ぎません。やはり、通年で韓国の輸出増加を牽引したのは、ロシア向けの規制対象車(規制車)の再輸出です。非規制対象車(非規制車)の直接輸出も前年から75.7%増の約5万台に伸びていますが、規制車はその数倍規模に達したと推測されます。

 ところで日韓ともに台数が減少した仕向国としてモンゴルが挙げられます。これは右ハンドル車を規制したことによりますが、左ハンドルの韓国車もブレーキが掛かっています。この背景には、近年ウランバートル市周辺で車両が飽和状態になっていることから、左右ハンドルに関わらず、輸入抑制が強まっていると考えられます。

 さて、26年の見通しですが、それを占う上で、25年12月の実績が示唆的です。日本の12月実績は、単月で15万台を超えました。これまで半世紀以上に及ぶ長い中古車輸出の歴史の中で、稼働日数が少なく、年式代わりとなる12月にこれほどまで台数が輸出されることはありませんでした。一方、韓国の12月実績は、それまでの月間平均よりも2割強ダウンとなる5万8千台まで落ち込みました。これは12月から引き上げられたロシアのリサイクル税によるものです。この12月実績の傾向が、そのまま26年通年の傾向になりそうです。


ここがPOINT!

   ロシアは昨年12月にリサイクル税を引き上げましたが、翌月にもさらに引き上げています。従って、今年韓国は大きく落ち込むことが予想されます。それに対して、日本は1月からアフリカ勢をはじめ南アジア、中南米などの国々が、依然として絶好調であり、気が早いのですが4年連続で過去最高値を更新する勢いです。こうしたことからも、26年は両国で明暗が大きく分かれそうです。


2026年3月号

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