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業界レポート8月号① Vol.81

  • 2 日前
  • 読了時間: 3分


 

 本レポートでは、オークネット会員様のビジネスのお役に立てますよう、大きなターニングポイントに差し掛かっている自動車産業にフォーカスした情報をタイムリーにお届けします。

執筆・編集:特定非営利活動法人 自動車流通市場研究所 理事長 中尾 聡



【需要の底堅さと制度変更が交錯した上期の新車市場を読む】


 26年上期の新車販売は、制度変更による押し上げ効果があったものの、コロナ禍前の水準には届かず、依然として回復途上の状況が続きました。車種別では軽自動車が存在感を示し、電動車はHVの減少とEVの増加が対照的な動きを見せました。今回は上期の主要トピックを4つの視点から整理します。


制度変更で押し上げられた上期、しかし本格回復には至らず


 26年上期(1〜6月)の新車販売は登録車153万413台、軽自動車85万6776台で、合計238万7189台となりました。前年をわずかに上回ったものの、23年の回復期(245万600台)比で97.4%、コロナ前の19年比では86.6%と、依然として低調な水準です。

 1〜3月は前年同期比2.5%減と弱含みでしたが、4〜6月は「自動車税環境性能割」の廃止を受けて7.0%増と大きく伸びました。環境性能に応じて0〜3%課税されていた制度がなくなり、車種によっては10万円以上の負担減となったため、登録時期を4月以降にずらす動きが広がったことが背景です。制度要因による押し上げであり、実需回復とは言い切れない点には注意が必要です。


26年上期(1~6月)新車販売実績

出所:日本自動車工業会
出所:日本自動車工業会

( )は前年同期比


軽自動車が上位を独占、N-BOXは上期5年連続首位


 上期の車名別販売トップはホンダ「N-BOX」で10万2419台。前年同期比1.0%減ながら唯一の10万台超えで、ブランド力の強さを示しました。2位はスズキ「スペーシア」、3位はトヨタ「ヤリス」で、ヤリスは受注枠の制約が影響し前年割れとなりました。躍進したのはダイハツ「ムーブ」(124.4%)やトヨタ「ライズ」(128.3%)、日産「ルークス」(144.1%)で、新型車効果や供給改善が順位を押し上げました。軽自動車が上位を占め、国内市場の軽依存構造が改めて浮き彫りとなりました。


2026年上期 新車販売台数トップ10

出所:自動車販売連合会・全国軽自動車連合協会
出所:自動車販売連合会・全国軽自動車連合協会

( )は前年同期比


HVは減少、EVは補助金効果で急伸という対照的な動き


 上期の電動車販売(乗用車)は96万3739台(87.8%)で4年ぶりの減少となりました。主因は電動車の9割を占めるHVの供給不足で、HV比率は44.5%と前年より8.2ポイント低下しました。国内HV市場は成熟が進み、「過半数の壁」に直面しています。

 一方、EVは補助金拡充の効果で5万5648台(203.7%)と大幅増となりました。CEV補助金の上限が130万円に引き上げられたことで、トヨタ「bZ4X」、日産「リーフ」、ホンダ「スーパーワン」などが販売を伸ばしました。輸入EVも増加し、テスラは推計で約1万2000台と存在感を示しています。


【26年上期電動車販売実績】


日本メーカー輸入車が急伸し、上期シェアは過去最高


 上期の輸入車販売は19万226台(109.0%)で3年連続の増加となりました。外国車メーカー車は減少したものの、日本メーカーの輸入車が7万2330台(138.1%)と大きく伸びたことが全体を押し上げました。登録車に占める輸入車シェアは12.4%で、上期として過去最高です。

首位はスズキで3万4288台(90.7%増)。インド生産の「フロンクス」「ジムニーノマド」が人気を集めました。トヨタはタイ生産SUVの好調で3位、ホンダは減少したものの外国メーカーを上回る4位となり、日本メーカーの輸入車が市場を支えた形となりました。


【26年上期輸入車販売実績】

出所:日本自動車輸入組合
出所:日本自動車輸入組合

( )は前年同期比


ここがPOINT!


 26年上期の新車市場は、制度変更による押し上げ効果が大きく、実需回復の判断には慎重さが求められます。車種別では軽自動車が強く、電動車はHV減少とEV急伸が対照的でした。輸入車は日本メーカーの好調が全体を支え、構造変化が進んでいます。下期は供給力と制度効果の反動が焦点となります。

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