top of page

業界レポート8月号② Vol.81

  • 9 時間前
  • 読了時間: 4分


 

 本レポートでは、オークネット会員様のビジネスのお役に立てますよう、大きなターニングポイントに差し掛かっている自動車産業にフォーカスした情報をタイムリーにお届けします。

執筆・編集:特定非営利活動法人 自動車流通市場研究所 理事長 中尾 聡



【2026年国内中古車流通 上期の総括と下期の展望】


 26年上期の中古車流通は、新車市場の堅調さを背景に代替・下取りが増え、登録・届出台数は2年ぶりにプラスとなりました。一方で、下期に入り海運混乱が深刻化し、輸出事業者の仕入れ停止や港湾滞留が顕著となっています。相場を支えてきた輸出需要に変調がみられ、今後の流通環境に不透明感が広がっています。今回は、そう言った点を含め、上期の総括と下期の展望についてレポートします。


上期は2年ぶりのプラス、軽が牽引し流通量は堅調


 自販連・全軽自協が発表した26年上期(1〜6月)の中古車登録・届出台数は337万1087台で、前年同期比0.7%増となり2年ぶりにプラスへ転じました。  

新車販売が上期を通じて堅調に推移したことで、代替・下取りが増加し、中古車の流通量を押し上げたとみられます。

 内訳を見ると、軽自動車は152万5278台(1.8%増)と2年連続で前年を上回りました。一方、登録車は184万5809台(0.2%減)と2年連続のマイナスです。3月末の「自動車税環境性能割」廃止により、減税効果の大きい登録車で新車への需要流出が起きた可能性があります。

 上場している中古車小売4社は増収増益と好調でしたが、地方の中小事業者は高騰する仕入れ相場が資金負担となり、二極化が進んでいます。上期は総じて堅調だったものの、事業者間の格差は拡大しています。

 上期のオークション実績(概算)は、出品台数421万2708台(1.2%増)、成約率68.5%(1.2pt増)、平均単価95.1万円(9.2万円増)といずれも好調でした。


2019年~2026年 中古車登録台数&届出数 上期推移

出所:日本自動車販売協会連合会 全国軽自動車協会連合会
出所:日本自動車販売協会連合会 全国軽自動車協会連合会

上期オークション実績 2026年vs2025年比較

出所:㈱ユーストカー
出所:㈱ユーストカー

※26年実績の内、6月実績は自流研の予測値を合算


海運混乱で輸出に異変、相場下落の兆しとロシア向けの特殊要因


 国内中古車相場を支えてきた中古車輸出も円安環境に支えられ、上期も高水準を維持。国内の小売業者と輸出事業者との間で仕入れ競争が激化したことで相場は引き続き高値圏で推移しました。

 しかし、下期に入り状況は一変しています。ホルムズ海峡の封鎖影響で世界規模の港湾滞留が深刻化し、船積みができず、輸出事業者がオークションで仕入れられない事態が発生しています。大手輸出事業者でさえヤードが満杯となり、仕入れ停止に追い込まれるケースが増えています。

  こうした状況下で、中古車輸出台数の6月実績が実際にどう影響しているのか、大変気になるところですが、生憎、現時点では発表はされていませんので、今回はすでに発表されている輸出抹消台数から推測してみたいと思います。前述の状況から察すると、前年同月実績から1割程度は落ち込み、13万台程度に落ち込むと予測し、これに5月までの累計実績を加えて81万と当初は見込みました。しかし、すでに発表されている輸出抹消台数は86万9688台と依然として好調です。両指数において、通関時期と抹消時期はタイミングがずれるため、月跨ぎでは誤差が生じるのは止むを得ないのですが、直近4年間の実績をみても、それほど乖離するものではありません。従って、そこに何らかの現象がおきています。その現象とは、世界規模で海運事情が悪化している中、唯一、混乱が生じていない「日本~ロシア航路」の存在です。ここはまったく影響を受けていないため、

6月はロシア向けが前年より約1万台増加しました。非規制対象車の需要が強く、これが輸出抹消台数を押し上げています。

 ただし、ロシア向けを除けば相場は下落傾向にあり、海運混乱が長期化すれば国内流通にも影響が及ぶ可能性が高まっています。正常化の時期が見通せない中、下期は慎重な見極めが必要です。


輸出抹消台数&中古車輸出台数 上期推移

出所:輸出抹消台数→自販連 中古車輸出台数→財務省貿易統計
出所:輸出抹消台数→自販連 中古車輸出台数→財務省貿易統計

※2026年の中古車輸出台数は5月までの実績に対し、

 6月実績を自流研が14万台と見込んで合算した概算。


ここがPOINT!


 26年上期の中古車流通は新車市場の堅調さに支えられ、軽を中心に2年ぶりのプラスとなりました。しかし、下期は海運混乱で輸出事業者の仕入れ停止が広がり、相場下落の兆しが見えています。ロシア向けが特殊要因として輸出を支えていますが、海運正常化の時期が国内流通の最大の焦点となります。

2026年8月号

オークション・市場

​サービス一覧

東京都公安委員会 古物市場主許可第301001102112号 古物商許可第301001105434号 株式会社オークネット

bottom of page